司祭 サムエル 奥 晋一郎
今週の福音書はヨハネによる福音書第13章31節から35節までの箇所です。イエスさまが弟子たちに語りかけている箇所です。最初に「ユダが出ていくと」とあります。これはイエスさまを裏切ったイスカリオテのユダのことです。ユダが出て行った後に、イエスさまは弟子たちに言われます。今、自らが栄光を受けた、また神様も栄光を受けられたと言われます。イエスさまと神様のとの関係は父と子、親子関係であることを表しています。この栄光とはどのようなものでしょうか。人々が称賛する、華やかな栄光でしょうか。そうではありません。この箇所での栄光は苦難の十字架と復活です。このイエスさまが自ら、神様の心、み心のままに歩まれた苦難の十字架と復活によって、神様とイエスさま、どちらにも栄光を受けることができました。また、イエスさまは弟子たちに今しばらくは共にいるが、イエスさまが行くところ、天国にはまだ弟子たちは行くことはできないと伝えます。さらに、イエスさまは弟子たちに、新しい掟を与えると言われます。「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる」と言われます。
イエスさまは弟子たちに、「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」と言われます。弟子たちが互いに愛し合う前に、まずイエスさまが弟子たち一人一人を愛してくださっていました。ただ、弟子たちはイエスさまからの愛を受け止めることはできませんでした。なぜなら、弟子たちが、イエスさまに望んでいたのは、イエスさまが当時、ローマ帝国の支配下にあった、ユダヤの国を、ローマ帝国の支配下から独立させるための、メシア・救い主でした。しかし、イエスさまは彼らの望むような行動をしませんでした。それよりも、イエスさまは自ら小さくされている人、子どもなど、弱い立場に置かれている人を癒し、慰め、励まし、日々を過ごされました。そして最後に十字架の道を歩まれ、すべての人に神様からの罪の赦しを示されました。さらに、イエスさまが3日後に復活され、弟子たちに現れてから、弟子たちはイエスさまの十字架、本当の愛を受け止め、イエスさまの言葉を信じ、イエスさまのことを伝えていく人へと変えられました。それは弟子たちの当初の思いを超えたものです。弟子たちはイエスさまが自分たちを本当に理解し、大切にされたことを受け止めました。
そして、このイエスさまが弟子たちに「わたしがあなたがたを愛したように」言われたように、私たちにもイエスさまは「わたしがあなたがたを愛したように」と言われています。このイエスさまが私たちに示してくださっている愛である十字架の出来事、そして復活の出来事を受け止めることが大切です。そのために、私たちは教会に集い、礼拝を行い、その中で聖書のみ言葉を聞き、聖歌を歌い、イエスさまの体と血を表す聖餐にあずかります。さらに、私たちはイエスさまの体と血を表す、聖餐にあずかることの感謝のしるしとして、イエスさまは私たちに互いに愛し合うこと、互いに大切にしあうようにしていきたいと思います。このことを心に留めて、私たちはこれからも教会に集い、共に感謝と賛美の礼拝をおささげしていきましょう。